2019年1月28日
更新
鼻からの胃カメラについて
|
鼻からの検査は非常に楽なので、通常は鎮静剤投与不要です。検査中に医師や看護婦と会話することが出来るくらいです。胃カメラ検査に不安や恐怖心がある方も、安心して検査が出来ます。カメラの太さは通常の胃カメラを比較すると、約半分です。鎮静剤を使って、寝た状態で検査をすることも出来ます。
鼻からの胃カメラ(経鼻内視鏡)のメリット
一度、鼻から検査を受けた方の95%の方が、今後も鼻からの検査を希望すると答えられています。しかし良いことばかりではありません。カメラが細いからには欠点もあります。 鼻からの胃カメラ(経鼻内視鏡)のデメリット
カメラが細い為、CCDのサイズが小さく、解像度に差があります。画面で見ている分にはあまり差を感じませんが、静止画にしてみると一目瞭然です。また光量も少ないので遠景で写真を撮ると、写真が暗くなってしまいます。当然近接での撮影が主体になりますが、元々画角も狭い傾向があるために、一度に撮影できる範囲が狭くなります。この画質の差は、技術が進歩しても、その分 通常のカメラも進歩しますので、埋まることはありません。 吸引する穴が狭いために、痰や食物残渣は吸引自体が困難です。出血している方などは対応不可能です。検査中に咳をされると、胃の中が霧が舞ったような感じになるのですが、こういうときは胃の中の空気をいちど全部吸引してから、もう一度空気を入れなおすという作業が必要になります。そういう作業でも通常のカメラより時間がかかります。 処置ですが、検査用の色素を散布する、組織の一部を採取する、ということは可能ですが、それ以外のことは基本的に出来ないと思っておいたほうが良いです。採取できる組織のサイズも小さなものになってしまいます。
以上より当院では、喉の敏感な方や若い方には経鼻内視鏡をお勧めしますが、そうでない方や詳細な観察が必要な方には通常の経口内視鏡での検査をお勧めします。経口内視鏡でも鎮静剤を使用することにより、楽に検査ができるように当院では努力しています。詳しくは口からの胃カメラのページをご参照ください。 経鼻内視鏡では、やはり経口内視鏡のような詳細な観察は出来ません。撮影する写真枚数を例に挙げると、経口内視鏡では60-80枚の写真を撮影しますが、経鼻内視鏡では、40-50枚の写真撮影になります。経鼻内視鏡でも、見落としがないように努力して検査していますが、どちらかというと検査の身体的負担を少なくすることの方を優先しています。
|
経鼻内視鏡でも、原則として色素散布を全員に行います。
|
胃透視(胃のレントゲン)との比較 経鼻内視鏡でのデメリットばかり書きましたが、それでも従来の胃のレントゲン(胃透視)よりは遥かに詳しい検査が出来ると思ってください。当院では胃のレントゲンはやる価値が無い検査と思っています。かなりのレントゲンを被爆するのに、あの程度のことしかわからないのでは、割に合わない検査だと思います。諸説ありますが、1回の検査で日本における自然放射線被爆量の半年分の量を被爆してしまうというデーターもあります。もちろん反論もあるとはおもいますが・・・・
|
|