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口からの胃カメラについて

2011年02月14日 更新

当院では口から胃カメラをするときは、原則として全員に安定剤を投与して、鎮静下に検査をしています。

  1. 慣れた方ですと、安定剤を使用しなくても楽に検査が出来ています。
  2. しかし、胃カメラの経験の少ない方や、若い方は、口からの胃カメラは少なからず苦痛を伴います。そこで当院では、原則的に口からカメラをされる方全員に安定剤を投与してから、検査するようにしています。
  3. 使用する安定剤は、ドルミカムですがセルシンを使うこともあります。
  4. 安定剤の使用量は、年齢や体の状態を観察しながら調節しています。
  5. 検査中は、酸素の投与や血圧や経皮酸素飽和度、脈拍の観察をしながら行います。
  6. 検査が終了した後も、しばらくの間は安静に休んでいただく必要があります。その間も脈拍などの観察は継続します。(1-2時間程度)
  7. 検査後は、フラフラする感じが残る為、自動車や自転車の運転は出来ません。
  8. ご高齢の方では、全く検査をしたことに気づかないこともあります。(若い人では、そこまでの鎮静は無理です)
  9. 安定剤投与に伴う医療過誤は、1例も起きていません。
  10. 安定剤の効果が強すぎる場合は、中和剤を常備していますので、それを使用して対応致します。

また検査精度の向上の為に、原則的に全員に色素散布を致します。

  1. 診断用の色素を散布することによって、細かい病変や小さな病変の発見率を上げることが出来ます。
  2. 検査の目的によっては、省略することも稀にあります。(10人中 9人くらいは散布します)
  3. 散布する色素は、目的別に2種類あり、共に人体には無害な専用の色素です。
  4. 色素が飛び散って、衣服が汚れてしまう場合がありますので、検査用の服に着替えていただきます。

色素散布中の写真です。
散布用のチューブを使用して、 満遍なく散布します。

散布前の写真です
あまり病変がないように見えますが・・・・・・・・

色素を散布してみると このとおり。
胃の粘膜が凸凹になっているということが判ります。
具体的には、萎縮性胃炎と腸上皮化生という所見です。(こういう方は 年1回カメラをされた方が良いです)
この状態で、早期胃癌などを必死で探します。

ならば検査前に、その色素を口から飲んでから、カメラをした方がいいじゃないか???と思った方居られますか?
はい。そう考えられるのは、すごく合理的だと思いますし、事実 そうやっている施設もあるそうです。
しかし、この色素も万能ではありません。色素をかけると逆に見えなく病変もあるのです。

ですから、当院の胃の検査の手順は

カメラを挿入

喉を観察して写真撮影

食道にカメラを挿入

食道を洗浄

食道の写真撮影

胃にカメラを進める

胃液の洗浄と、胃液の吸引

胃と十二指腸の写真撮影

胃と十二指腸の色素の散布

胃の写真撮影(色素散布後)

組織採取(必要があった場合のみ)

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通常 これで検査終了です。
しかし 食道にも病変がある方は以下が追加になります。

食道の色素散布 (必要があった場合のみ)

食道の写真撮影(色素散布後)

食道の組織採取(必要があった場合のみ)

 

・・・・・・・・という手順になります。同じ場所でも、洗浄前、洗浄後、色素散布後、あるいは 角度を変えて撮影など何度も撮影することになります。

それゆえ、写真の撮影枚数もかなり多くなっており、上記の患者で78枚の写真を撮影しています。多い方では90枚をこえる写真を撮影します(かなりの連写です)

検査の時間は 10分間程度です(特別長くありません)。
事情があり、色素の散布を必要とされない方は、もっと検査時間が短くなります。

経鼻内視鏡の方も、原則全員に色素散布をしますが、検査の精度としては落ちてします。詳しくは経鼻内視鏡のページを御覧ください。

検査の見学も出来ます。こちらを御覧ください。

 
 
 

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